OPEN CLASS
公開講座
プロジェクトで実施される精鋭講師陣による
事前授業・講座の一部を特別公開しています

Aug 17, 2008 18:00 - 19:30

「オトナの政治経済」第13回目

開催日時 2008年8月17日(Sun)18:00 - 19:30
料金 社会人:1,300円 学生:650円 (初回の方は半額)

募集は締め切りとなりました。

DETAIL
【大学発のベンチャー企業の苦戦】

・平均の赤字が5100万円を超えており、人材確保が急務となる。
一時期から、流行だしていた大学初ベンチャーですが、その多くは赤字でそれも5000万円を超えているという驚愕の事実です。

通常の零細企業であれば、“破産“ということも考えるわけですが、経済産業省の産業振興の一環として「ある特定分野における産業については支援(税制・資金援助)を受ける」ことができることや、資金が大学から出ているために知らない間いにお金だけが使われているという何だか情けない話が起きています。

どうもお金をしっかりと管理して使いこなす人材がいないのが1番の問題のようです。

大学はまだまだリアル社会と隔離されている状況下(マーケットからとても遠い位置)での人材不足は深刻で、これを解消するためにもVC(Venture Capital)も奔走するわけですが、実際にはマッチングできないのが事実のようです。

ただし、

①バイオという産業が大学のベンチャーの40%を占めていること、

②毎年大学初ベンチャーの数は94社も昨年度比較で増加している事実

上記から本当に優秀な技術を持っているところであれば海外の人材と手を組むというのも一つの手だと思います。

例えば、北京大学や高麗大学ではサイエンス・バイオ・ITに特化して企業の一部門として大学の研究室の支援(企業の一部門または一グループ企業のような形で取り込む)を行っており、実際に優秀な経営者との会合も数多く開かれています。

大学ベンチャーにしてみると百戦錬磨の人たちから経営の勉強も同時にできるし、また企業側にしてみても大学の施設を使いながらまさに開発費用のみを後押しすることで、新規事業開発費用を通常の約70%で推し進めることができるわけです。3割のコスト削減は非常に大きいことです。

ここに、日本の大学のように寄付だけする上場企業の社長との違いが見えます。

大学と企業の関係から「人材確保・資金調達・販路開拓」の問題はずいぶんと解消されて、また企業側にとっても通常の開発費・販管費の削減につながるということで光明がみえるのではないでしょうか。

【海外投資家の国債保有残高 50兆円突破 3月時点で20%増】

「世界の避難地としての日本」という考え方をしたほうが良いと思います。
戦時中などで空襲を受けたときに防空壕に逃げるわけですが、誰もその後も防空壕の中で暮らしたいと思う人はいません。
ですから日本としては安穏とはしていられないというのが実情だと思います。

サブプライムの影響を比較的受けずに(これは日本の金融全体の国際化がある意味で遅れをとっていたことが功を奏していると思いますが)、国全体としての国力にそれほど影響が及ばず、これまで抜本的・革新的な改革を20年間してこなかった日本にある意味で“ハイリスクを感じない”という見方を世界がしているので何とも皮肉的ですが“安全地帯”と見なされているわけです。

国債に限らずに、通貨も今年は世界からたくさん買われており今年末の保有率は3%台(現在2.4%)で終わる可能性すらあると思います。

しかし、“日本経済が現在強くなっている理由“、“未来への兆し“は余り見当りません。ですから、今の世界から国債や通貨が買われているのは“実情を評価されたものではない“わけでありここを勘違いしてはいけないと思います。

一方で、逆な前向きな見方をすれば今年は日本のチャンスとも言えそうです。

世界が避難地だろうが何だろうが注目をしてくれているときに、外国資本を日本に取り入れるチャンスと言えるわけです。
福田さんが電撃辞任をしたわけで、次期首相にはこの日本の外資を取れる好機を感じ取れている嗅覚のある人にお願いしたいところです。


<これからの生活>

今後の日本経済が強くなってくる絵が描けていない以上、給与所得が上がっていくということは見込めません。
これは自分がどの産業にいても今後も右肩上がりで給与所得があがるということはほぼないと思った方がいいと思います。(理由は説明済)

“給与所得があがらない”ということは、どういうことかを考えてみると要は「自分が使えるお金が減る」ということです。
そこで下記のような考え方が必要だと思います。

前述の“自分が使えるお金“のことを例えば“利益”と考えて見ましょう。

自分自身を“企業“と考えてみると、「原価を抑えて高い売価で売れば利益が出てくる」わけです。当然ですよね。

この場合の原価とは自分という“会社”を維持するための「食費・住居・衣服・健康」、補助機能としての「保険・自動車」、自分というブランド確立のための機能としての「交際費、教育費、遊興費」などです。

これらをしっかりと見直してみると「利益=自分が使えるお金」が増えることになるわけです。99円ショップに皆さんは良く行きませんか?安価でも十分においしいものを買えるし、健康的な生活も維持できます。(私はしょっちゅう行きますが・・)
なぜあれで利益が出ているのでしょうか。

ショツプ99の経営戦略を自分に置き換えてみれば、皆さんの生活でも質を落とさずに今よりも利益をだすことは可能なはずです。
(ちなみに・・上記の交際費、遊興費をvery50に皆さん置き換えると随分皆さんの“利益”が増えるはずですよ。)

それと、巷では「エコ」が大変取り沙汰されていますね。
世界的な物価上昇や不景気、給与所得があがらない、という時代になればなるほどエコな生活に嫌でもな方向転換をせざるを得ません。
その意味では、前向きに地球全体で“エコ活動をしているんだな”とブラックジョークのようですが、考えるといいのではないでしょうか。

【原子力発電買収からみる日本と英国の差】

今年の4月に英投資ファンドのザ・チルドレンズ・インベスト・ファンド(TCI)によるJパワー(電源開発)の株買い増しを行おうとしたら経済産業省の北畑事務次官(実質的なNo1の実務者の官僚)はまたもや「日本の公の秩序の維持を妨げる可能性がある」としてTCIに買い増しを中止・変更を勧告しました。

時事講座では過去にこの問題を取り上げていますが、外資が日本の企業や公的機関を買おうとすると日本政府からNOを突きつけられるケースが非常に多いです。

これに対して、英国政府はフランスの「Electricite de France」(=EDF)にBritish Energy(=BE)を買い取ってもらい更に最低でも20基は英国内に原子力発電所を建設するべく協力を要請しています。

152億ユーロの買い取り価格でEDFと交渉をしているようですが、この日本との感覚の違いはすさまじいものがあると思います。

言うなれば、日本が東京電力を韓国の大韓電力に買ってもらおうと政府ぐるみで交渉している感じです。
英仏・日韓ともに仲が悪いのも似ていますが、そういう国相手にも最大効率・最適資源を考慮して選択をしてしまう英国は凄いと思います。

サッチャーがかつてはそうであったように、変に感情に走らないスマートさというのは日本の経済活性のためにも確実に必要なことだと思います。


【英国情勢】

「英国の経済成長は0%」と述べたのはキング英国中央銀行総裁.
サブプライムの影響・世界的な物価高により英国の経済成長が16年ぶりに止まる。

この経済不況の煽りを受けて、ブラウン(労働党)首相がお膝元のスコットランドで選挙で破れました。労働党が敗れるのは実に60年ぶりのことで、英国では新しいリーダーを探しているという国民の民意が出た結果でした。

この辺の事情は日本とよく似ているともいえます。かつての評判の良かったブレア元首相は欧州委員会の次期議長の有力候補の一人となっており、ブラウンとの比較はますます空しくも鮮明になり、ブラウン首相の政権も短命に終わる可能性が出てきました。
小泉元首相の比較に悩まされ続ける阿倍・福田政権に似ています。

この状況下で英国の住宅・土地価格が下落していく中で、住宅取得時にかかる印紙税をの課税最低限を2400万円から3400万円に引き上げるという施策を英国政府は取りました。

これにより、国民が住宅を買いやすくなりました。

今後、ブラウンの進退が少し見えて新しい期待のできる党首(首相)が当選した際には金融コモディティ全体的に値段が上がる可能性があります。

英国の住宅価格の求めやすさと近い将来の政権交代による値段上昇兆候は投資対象としては見逃せないものになってきたといえるかもしれません。

英銀最大手のHSBCのマイケル・ゲーガンは、日本国内で未だに成功を収めていない中で、早速「住宅商品」を富裕層向けに売りだす戦略に出るようです。

この商品は、利回りを考慮すると富裕層にとってはお買い得になっているとも言え理解が進めばHSBCの飛躍の足掛かりになるかもしれません。
比較的サブプライムの傷の浅いと思われている日本にHSBCの進出が加速してくる絵が見えてきました。今後に注目です。

【中欧通貨が軒並み最高値】
この事実から見て取れることは3点

①ユーロ入りを表明しているチェコ・ポーランド・ハンガリーを含めて通貨統合も時間の問題だと思います。ユーロ入りする直前の国の通貨の変動は“確実性の高い投資効率”といえそうです。

対$に対してもユーロの比較ではないくらいに高くなっており、世界が余ったお金の受け入れ先の一つに中欧3カ国を入れているということです。


②元々この3カ国はトヨタを皮切りに欧州をにらんだ最適地としてメーカーの工場が集まっていた場所です。元々、伝統的にモノヅクリ文化があるところだったチェコやハンガリーなどでは各企業にとって非常に都合のよい国であったために、私の知る限りでも“この3カ国の中のどこにも工場がない“という会社は少ないと思います。

そこから、欧州各国へ輸出するとのことですが、部品代・オイルの高騰により原価を抑えるのが本当に厳しい状況下でダブルパンチといえそうです。企業が世界進出をする際に重要な観点がこの“為替戦略”です。

 また進出する国の未来の政治的な方向性も考えないとリスクヘッジができないわけです。

③この3カ国の通貨が高くなればなるほどに、もはやコスト削減をギリギリのところまで実施している各メーカーでは社員の給与を抑えるしかなくなってきます。
その抑え方というのが非常に難しくて、今の日本の法律ではクビにするのは非常に難しい。
例えば、メーカーであれば9割以上が労組を持っておりクビはもちろんのこと給与の引き下げというのも中々難しいわけです。

そこでどうするかというと、「残業費用」を抑えるわけです。残業代の抑制が進めば進むほど、社員は時間をもてあますことになります。

皆さんの会社でも残業規制は格段に去年よりも今年のほうが厳しいのではないでしょうか?

時間を持て余した社員は、飲みに行くかもしれないし、自己投資の為に学校に通うかもしれません。つまり、「事象の先には新しい現象が起きる」わけでそこにマーケットが潜んでいる(=ビジネスチャンス)という見方もできるわけです。

【中国事情】

中国から日本への輸入品の50%以上が物価上昇を続けている。

①ユニクロなどの「中国生産によるコスト削減」で有名な企業などはここにきて死活問題になってきました。
ユニクロは既に中国以降の次の候補地を探し始めています。
視察先としては、カンボジア・モンゴル・ウズベキスタン・ネパールが見えてきますが各国共にそれぞれ問題があるために難航しそうです。
ベトナムがよく第2の中国という言い方をされますが、人口が違いすぎる為に“第2の中国“をベトナムだけではなく並列的に周辺諸国に作る必要があります.

②中国国内でのインフレは当然ながら中国人そのものを困らせているわけで、その他にも北京五輪などでの迫害・立ち退きが明らかになりましたが、多くの国民の不満は鬱屈していると言えそうです.

③中国国内のネット人口は2億5千万人を超えて世界第一位のネット利用者を抱える国となりました。
14億人の人口を考えるとまだ20%未満の普及率であり、ネット人口がこれほどいるということは、中国国内におけるビジネス(特に流通)のビジネスは格段に変わるということです。また、携帯電話は毎月400万人の加盟があるとのことですから、年間4800万人の増加であり携帯電話の情報規制というのは技術的に難しいらしく、今後は中国政府への不満などが抑えきれなくなり、「Web上から始まる中国人の乱」というのが起きる可能性が出てきたように思います。

これに呼応するかのように、世界中の華僑を中心に中国の実態を知らしめるようなデモが多く出てきています。ブログでも書きましたが香港もそうですし、台湾でもこの動きは沢山見受けられました。

日本においても、法輪巧を中心にその動きは活発化しています。この動きは、今後見ものと同時に政府の対応が問われます。

【日本の医療問題】

●産婦人科、小児科不足の深刻化

●過労問題

・看護士や介護士をフィリピンやインドネシアから招聘するという話は出ていますし、現実のもとなりそうですが、今後は地方の医者不足解消のためにも医者を招聘するという方法を現実的に考えてもいいと思います。

そう考えた時に、韓国・台湾の医者ではないでしょうか。
理由は見た目が同じであるということと医療技術のレベルから考えた観点です。

世界ではインドが高い医療技術の割には安いということで、メディカルツアーが頻繁に実施されています。

しかしながら、日本人にはいきなりインド人というのは厳しいと思います。差別的な発言と思われるかもしれませんが、島国的な日本人を考慮すると、見た目が同じような人種の方が第1段階としては安心できるでしょう。

病院に運ばれて瀕死のときに、駆け付けた先生がインド人だったというのは「・・」と何とも言えない気持ちかもしれません。

“白人と日本人以外は信用していない“という人は残念ながら実は意外と多く意識改革が必要だと痛切に思います。

そこで以前から申し上げているように韓国と台湾、日本という3カ国間の提携というのは必至で医療業界にも同じことがいえると思います。

以上

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