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事前授業・講座の一部を特別公開しています

Dec 7, 2008 19:15 - 20:50

記憶に残したい日本の社会活動家 第2回目~福沢諭吉~

開催日時 2008年12月7日(Sun)19:15 - 20:50
料金 社会人:1,300円 学生:700円

募集は締め切りとなりました。

DETAIL
今回は福沢諭吉の第2回目ということで、1回目で諭吉の思想を勉強し、その思想が現代社会とどのように結びつくのかを独自の視点から解説頂きました。

第2回目のトピックとしては以下の通りです。

■前回の簡単な復習

・「独立」とはあくまでも「権利通義」の等しさがベースとなっている。
・「実学」とは「役に立つ」ものではなく、「活き活きしていて活用できる」ものである。
・「学問」とは「本のみでなく、精神の働きで身につける」ことが重要であるといっており、「事物を視察する、事物の道理を推究して自分の説を作り、そしてどうあるべきかの道筋を世に示す」ということの重要性を説いてます。

■【論考】について

・「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」の意味について
これは「アメリカの独立宣言」からの引用とされています。
<福沢個人がいったものではない>

・「惑溺」を排することについて
「平等性」は飼い犬同士には存在するものの、飼い主は「血統書」などの権威にとらわれてしまっておりお互いの「権利通義」を認め合っていない。

「自己実現」というものに際して、個人は「ロースクール・MBA」などの「権威・既成概念」へ埋没してしまっており、惑溺から抜け出していない。

・自己肥大する現代社会について
携帯電話の普及によって会話が衰退し、WEBの世界などでしか自分を表現しなくなってきている。

権力への接近によって、本来自分が意図したものが媒介する者の手によって歪められ、世の中に正しく・正確に伝わらなくなってしまっている。

人間の思考段階としては以下の通りとなる。
<上位概念>←―――――――――――――――――――――――――――――→<下位概念>
wisdom<知恵>⇔intelligence<知性>⇔knowledge<知識>⇔information<情報>

昨今は情報が煩雑し、その中で「情報」・「知識」を持つ/持たないで格差が生じており、権力関係が構成されている。
<知性、知恵の段階まで思考していない>
本来人間は「知恵」をもつことで様々な状況に対応してきたが、これが無くなるとパニックを起こすことになってしまう。

・現代における「I can do it!」とはなにか?
いかに「人々の利便を図る<幸福・安寧を追求する>」かがポイント。

福沢は門下生に対して「政治に進まず、実業をやれ」といっていた。その心は、政治は権利の中でやることが限られるが、「人の役に立つ」ということは自分でできるという考え方の下、インフラ系<電力など>への傾倒や保険制度の立案などを行った。

■まとめ
福沢の思想としては「平等性は①知恵、②権利通義によって保たれる」とし、それは時と場合によって変わるものだとしている。あくまで「社会に資する」という考え方がベースとなって「起業」や「ボランティア」、さらには「生き方」までも追求している。

■所感
今回は連続講座として出席しましたが、福沢諭吉が創造した世界とまったく違った世界になってしまっているという現状に大変危機感を覚えました。
「教育は100年の計」といいますが、私たちが今やっていることは即効性はなくとも、次の世代以降につなげていけるようにまだまだ勉強と活動をしていこうと感じました。

ENTRY

募集は締め切りとなりました。