MoGに参加した高校生や先生のリアルな声・現地で活動中の
MoGの様子・very50の活動などをお届けします。

『聖ウルスラ学院英智ベトナムMoG』前半戦~起業家クックの“志“に触れる

 

2ヶ月間の事前授業期間を終えて、ついに現地ベトナムにやって来ました。一体どんな成果を残すことができるのでしょうか。

1日目

ホテルに集まるMoGer

1日目は、関西の個人参加の2人は先に関西空港から到着。深夜に到着した聖ウルスラ学院英智高校のMoGer8人が合流し、お互い初の顔合わせ。これから9日間共に戦う仲間として、自己紹介を終えて1日目を終了しました。

2日目

ミーティングの様子

2日目は、まずは改めて現地でどのような活動をして行く必要があるのかを確認するために、ミーティングを行います。みんな、真剣な様子。朝のミーティングを終えたら、ついに初めて今回のパートナーであるクックと合流!スカイプで話してたことはあったけれども、直接対面するのは初めてだったので、みんな少し緊張気味。ここではチームビルディングとして、自分の人生の奇跡について語る、Life mapを実施。自分がどんな人生を歩んで来て、どんな思いを持ってこのMoGに参加しているのか、改めてチームメンバー、そしてクックと共有することで、さらにモチベーションを高めました。

Hoaban+創業秘話を話すクック

メンバー一人一人が話した後は、いよいよクックの番です。22歳で当時ベトナム人向けのツアーガイドをしていたクックは、仕事でベトナム有数の地、マイチャウを訪れました。そこで出会ったのが、のちにHoaban+を共に創業することになるトワさんです。

創業当時のトワさんとクック

トワさんは、経営しているホステルの屋根下のスペースを使って、ハノイには出てこれない少数民族の障害者の人たちが収入を得られるようにと、2人の障害者を雇用し、ハンドメイドの小物を作って観光客に販売をしていました。そのトワさんの姿と、従業員2人の姿に胸を打たれ、クックはツアー観光客にトワさんたちが作った製品のプロモーションを行ったり、そこに連れて行くことで、販売を促進するなど、最初は外部から間接的な形で関わって応援をしていました。

過去マイチャウMoGの様子

2012年、トワさんを支援先として、very50がMoGを行いましたが、その時のMoGerと現地のベトナム人の通訳として、クックがトワさんに頼まれてMoGに参加します。そのプロジェクトでの活動がきっかけで、クックはこのトワさんのミッションや思いへの共感をさらに強めていきました。その様子を見ていた、very50 代表の菅谷が、クックにトワさんと共にこの組織で働くことを提案。クックは大好きなマイチャウで働くことになんの迷いもなく、ツアーガイドをやめ働くことを決意します。

工場の様子

これをきっかけに2013年にマイチャウ村の障害者や貧困に苦しむ人々に雇用を生むソーシャルビジネスとして、改めて発足したのが「Hoaban+」です。しかしもともとマーケティングや経営の知識があったわけではないクックにとって、いきなり会社を運営するのはとても簡単なことではありませんでした。新たな従業員に刺繍や機織りをトレーニングし、製品として売れるものを作れるようになるためまでかなりの時間かかります。また、資金調達から工場設立までも自分たちで手配せねばならず、ようやく利益が出始めるまで、まさに”死闘の2年半”を過ごしました。

マイチャウのHoaban+のお店

クック曰く、この苦難の2年半でやめようと思ったことも、あったそう。もともとツアーガイドとして優秀だったクックはベトナムの中でもかなり高い給料をもらっており、それを投げ打っての決断に後悔しそうになることもありました。それでも、トワさんや従業員への愛、またマイチャウを愛する気持ちが常に困難を勝ったと言います。また先代のMoGerたちが残してきてくれた様々な積み重ねが大きく困難を乗り越えるのに、力になったとも語ってくれました。諦めずなんとか踏ん張り続けた結果が実を結び、ここ2年近くは業績が上がり、発足当時5人だった従業員が、フルタイムで25人パートタイムを含めると、45人を雇えるまでに成長しました。

「Where there is a will, there is a way」(意思あるところに道は開ける)

クックがなんども口にしていました。

クックの”志”や、諦めない気持ちに触れ、MoGerたちも感慨深かそうに話を聞いていました。自分の”志”は一体なんなのか、それを考えさせられる時間になりました。と同時に、Hoaban+の”意味合い”を感じたMoGerたちは、改めて今回のMoGで求められる成果を確認し、一気にモチベーションをあげます。

フィールドワークの様子

午後のフィールドワークでは、ハノイ市内の競合となるお店や商品開発の参考になりそうな製品を見て回り、写真を撮ったり店員さんの話を聞いながらメモを撮ったりと、マーケティング調査を実施。英語が苦手でも、”話せなければ何も進まない”この状況の中で、積極的に英語で話しかけます。

休憩したカフェでたまたま隣になったアメリカ人と会話するMoGer

休憩時間には、カフェでたまたま隣になったニューヨーカーと会話をたのしんでいました。

地元の有名なレストランPizza 4 pizzaにて

夜は、クックも揃ってみんなでベトナムでも有数のピザレストランで食事。午後いっぱい歩き回った疲れも吹っ飛ぶくらい絶品の夕食でした。

3日目

ベトナムの伝統的な民族の住居

3日目はハノイの民族ギャラリー博物館を訪れ、クックのガイドのもと、ベトナムの少数民族について学びます。Hoaban+のミッションに深く関係することなので、みんな興味深くクックの話を聞いていました。写真はベトナムの少数民族が今でも使っている町の集会場です。町の中心となるため周りの家より高く建設されています。およそ2メートルほどのハシゴを使って恐る恐る登っていきます。

バスのなかでミーティングを行うMoGer

博物館の後は、昼食を済ませ、いよいよマイチャウに向かいます。なかなか時間がMoGerたちは、バスの中でもミーティングを行い、、質問があれば自分たちでクックに聞きにいきます。

マイチャウに到着したMoGer

4時間ほどバスに揺られてついにマイチャウ村に到着!念願かなってみんな嬉しそう。

機織り機のせつめいをするクックとMoGer

夜はクックがHoaban+の工場をガイドしながら、ワーカーの方や施設なども紹介してくれました。これからの残り5日間、試作品作りなど様々なところで関わる大切なパートナーです。

ハノイの有名なセントジョセフ協会にて集合写真

日本での事前準備、ハノイでの調査を終えて無事マイチャウ村に到着したMoGerたちにとって、これからまさに”本番の本番”が始まっていきます。どんな成果を残してくれるのでしょうか。今後も是非お楽しみに〜!