こうした事業こそが「本物の人材育成」と定義されるものであります。
–MoGを導入しようと思ったきっかけは何ですか?
日本の地方は、その地域のもつ有用な資源を経営資源に転換しつつ、さらにはその経済活動を通じて、人口減少社会がもたらす社会問題を同時に解決するという、チャレンジングな取り組みが求められています。
一方で、私としては、地方といえども国内だけの潮流を見てこうした施策を企画実行するには限界があり、もっと視野を広く持った戦略を実行しなければ、それらの解決策は見いだせないものと認識していました。
そうした戦略の実行においては、
・世界を取り巻く状況把握の視点(マクロ視点)、
・上記を踏まえた、地域の状況分析、
・前例にとらわれない多様性への許容、
・公共事業に従事する者においても身に着けるべき投資家と起業家の目線、
・事業実施に係る利害関係者との調整力、
などを駆使することが必要です。
しかし、そうしたノウハウの全てを我々が持ち合わせていないことが課題で、どこか協働先がないだろうかと日々考えておりました。
そうした中、一昨年、大山町に赴任した地域おこし協力隊の小谷英介氏から、このPJについて情報提供がありました。
その時、very50のPJで、我々のまちが身に着けたいと考えていることができると閃いたのです。そして、さっそくこの事業を役所内で提案し、協働事業を始めました。
–MoGを通して地域が得たこと、学んだと思うことは何ですか?
人口が少ない地域。それは地域資源を活用した事業を開発するプレーヤーが乏しい地域と言い換えることができます。
このMogを通じて学んだのは、諸々の支援制度の整備と同時に、或いはそれよりも先に、「人材育成」を強力に推進することが不可欠であるということでした。
また、ロジカルシンキングをベースとした問題解決力、アイディアの発想法、マーケティングスキル。こうした技術を行政職員もさることながら、まちの活性化に臨もうとする地域の人々が、座学のみならず、実践を通じて積み上げることが、何よりも地域をよりよい方向へ導くために大切だと強く思いました。
–これからMoG導入を検討している地方行政の方にメッセージ
very50が推進されるのは、地域のヒトが外部のヒトとつながり、社会問題の解決に向け、一緒になって一つのPJを戦略的に進めるとともに、イノベーションの源泉及びそのノウハウを、「地域」と「ヒト」に宿す事業であると理解しています。
実際、このMoGを通じて、地域で起業をする若者が出たり、町で事業を営んでいる方が新たなチャレンジをはじめて、成果を上げたりしつつあります。
さらには、そうした人々が、Mogが残してくれたノウハウをまち全体に共有しようと自律的に動き始めているのです。
いうまでもなく、こうした事業こそが「本物の人材育成」と定義されるものであります。
最後に、目に見えていない真の問題への洞察に長け、その解決に向けた戦略策定・実行へ落とし込むスピードと精度の高さ、それらのスキルを支えるスタッフさんの情熱と志は、必ずや持続可能な地域社会の創生をもたらしてくれることをお伝えし、メッセージに代えさせていただきます。