MoGに参加した高校生や先生のリアルな声・現地で活動中の
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『商品をつくる責任』 カンボジアMoG 7日目 

商品とはなにか・・・

カンボジアには「貧困を解決します」的商品が氾濫しています。

ここカンボジアが貧困だったことや比較的新しい時代にポルポトによる粛清があったことも要因ですが、主に元宗主国のフランス人を中心に”チャリティ”が蔓延しています。

その多くが女性たちの雇用を生む仕事ということで、ハンディクラフトを学びます。それこそ、裁縫関連を中心に色々なものを村の女性たちが作っています。

こうして、多くのカンボジアの社会企業は農村女性の能力開発や自立サポートをテーマに多くのコモディティ品を量産しています。

下の最初の1枚はこれ男子としては珍しいニッターさん(ニットを編む人)。

なんでも、姉弟で弟はいま19歳。12歳から働き通しで体を悪くしてしまい、農作業などに出ることはできないらしく、このCambodian Knitsの作業をして月に150$ほど稼ごうと今トレーニングをしているところです。

この姉弟は2人とも字が読めません。体も弱いです。

そこで生き抜くために選んだのが「ニットを縫う」だとしたら、本来的にはやや違和感です。

一生ニット縫いをするのか?と。なので、これは支援のようであり、支援でもないような難しい課題を感じるわけです。

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この次の下の写真の手前の笑顔のおばちゃんはもうベテランさんです。

なんとなく風格も伝わるでしょう。

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但し、見れば見るほど応援はしたくなるのですが、同時に難しさも感じます。

Cambodian KnitsもKhmer Creationも21世紀のIT革新にすすんだ技術を教えるわけではなく、裁縫技術を中心に教えながら女性たちの生活を支えています。

この技術は10年後にはもしかしたら全く生活をするには十分ではない程度のお金しか稼げない時代遅れの技術になるかもしれません。

本当に貧困層の女性に必要なのは、ハンディクラフトやせっけんを作る以外の技術なのかもしれません。

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この写真はすごく好きで、インドの農村の女性が裁縫道具ではなく、溶接の工具や建築工具を勇ましく持っている写真です。Wiredの写真から拝借してみました。

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そしてもう一つ難しいのは商品を買ってくださるお客様にとっての価値です。

これだけモノが溢れる時代において、それでもモノを作り提供をする責任とはなにか。

単純に「農村の貧しい女性が作りました」という売り文句でモノを売ることに、僕自身が少し飽きてきました。サンダース風に言うと、Enough is enoughなわけです。

農村の女性が作ったというだけで、コモディティ商品をつくるのはもう何とかやめにしたいところ。

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ということで、ここを考え抜くためにこの11日間の滞在があり、その先に売上向上につながるはずだと思っています。

そこを十分に意識をしたうえで初日からドンドン現場でのヒアリングを丁寧に行いました。

MoG恒例ともいうべき”ミッション”と”ビジョン”の確認というやつです。

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今回は、欧米人と日本人の感覚の差もとても感じます。

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ヒアリングした話をもとに、様々に皆でどういう会社であるべきか、どういう商品コンセプトであるべきかを徹底に議論。

お客さんにが感じる価値。そして課題解決か共感喚起のどちらかがなければ商品として成立しないので皆は毎晩0時過ぎまで白熱して議論をしあうのです。

良い商品とは・・

11日間通じてこればっかりです・・・・