MoGに参加した高校生や先生のリアルな声・現地で活動中の
MoGの様子・very50の活動などをお届けします。

『ネーミング、トワさんの人生』 ウルスラ高校 MoG 7日目

 

明日マイチャウ出発です。28日の文化祭で売る商品を持って帰るべく、急ピッチで生産を依頼します。それと同時に、どう売るか?を考えるのが今日の大きな課題です。

朝ごはんレポート。

今日はバナナではなく、”シャカ”とよばれるこのゴツゴツしたフルーツを頂きました。仏様の頭に似ているからこの名前らしい。割って食べるのが申し訳ない。。

やわらかいパパイヤのような、おいしいフルーツでした。

まだ寝起きです。

朝、どう売るか?を考えるにあたっての三種の神器を学びました。

・タイトル

・デザイン(商品、プロモーション)

・ワーディング

これができて初めて8stepsやら、情緒的価値の6つのフレームワークが活きてきます。実際の商品ができた段階でやっと自分事として使いこなすことができます。

今日は久々の気持ちいい快晴です。生乾き祭りだったお洗濯ものが乾く!同時に体力も消耗するので、塩分を取りながら、お昼寝を間に挟みながら、進めます。

文房具チーム、商品名を考えます。二人でブレストしたものをアクセサリー班に見せ、フィードバックをもらい、また考えます。やっていることは企業がやっている商品開発そのものです。

アクセサリー班の工程の紹介。ワーカーさんのエンブロイダリー(刺繍)チームに刺繍をお願いします。

この模様はタイ族がよく使うもので、オリーブの花、とか、(ひ。縦糸に横糸をくぐらせる舟型の道具。昨日のブログのトップ画像です。)を模したものだと言われているようです。

そしてミシンで裏地を縫い付けます。ワーカーさんの手にかかれば一瞬の技です。

そして、女子チームはタッセルづくりを自分たちでやっています。刺繍の色に合わせて自分たちでカラーバリエーションを考えます。

女子チーム3人中2人はあまり得意ではない作業らしい。でも2日目にして、楽しみながら作業していました。

金具とタッセルを取りつけて完成です。ベトナムの民族の伝統を取り入れながら、現代の日本でも使いたくなるかわいさを持つ商品になりました。

アクセサリー班は、悩んだものの三種の神器のひとつ商品名を今日は決められませんでした。ベトナム語を入れたいということで、響きのいい意味のある単語を探します。

文房具チームの要望に応えるLIEN(リエン)。二つ目の試作品を作っています。彼女は高校生の時に交通事故で片足を失いました。それからHB+で働き、今では、縫製チームのエースで、トワさんも彼女に絶大な信頼を寄せています。ものすごくシャイでクールに見えるLienですが、いったん打ち解けると、ものすごくノリがいい。

工房でクックにデザインの交渉をしているのはヘアリボンを作るアクセサリー班です。英語力に加え、コミュニケーション能力がみるみるついてきているようで、スタッフは一言も口を出さずとも、スムーズに物事が進んでいきます。

こちら「ジャンマくん」(named by 後藤先生)。食事やMTGの時にみんなの足にまとわりついてはびっくりさせています。かわいいやつです。

文房具班も、負けじと進んでいます。次は、柄を決める作業。伝統をいれつつ、ティーン向けのメッセージを込めた柄にするために、柄にどんな意味が込められているのか勉強します。

いくつか代表的な模様を紹介します。

まわりにぐるぐるしている部分は、山の山菜(ぜんまいなど)を表しています。山に囲まれた暮らしに密着しています。

こちら、動物が2匹いるのですが、わかりますか?しっぽの長い木登りのプロが背中合わせに柄に入り込んでいます。

こちらは、双頭の龍。水面に移って頭が4つあるように見えています。古の伝説がもとになっているようで、悲劇の結末を迎えた双子の兄弟が龍になった姿を描いています。

さて、男子チームは何をモチーフにすることにしたのでしょうか。

フルで活動した今日の夜のMTG。感想を言っていきます。

現地の人と交流が嬉しかったという意見が多かったです。マイチャウ5日目にもなると、ワーカーさんや地元の子供たちと仲良くなり、言葉が直接通じなくても心が通じ合う感覚を味わっているようです。

サッカーで点を取ってハイタッチをした瞬間。

伝えたいデザインのイメージが共有できて喜び合えた瞬間。

売店のおばさんのお金のやりとりが理解できたときに「シンチャオ。(ありがとう。)」と満面の笑顔で言ってもらったこと。

晩ごはんを食べながらクックに日本語を教えベトナム語を教えてもらいながら爆笑したこと。

すべてかけがえのないPrecious Timeです。

今日のフィードバックとLIFE MAPはあかりとトワさん。

あかりは5人の中で唯一の1年生。プロジェクトが始まった頃は先輩に囲まれて遠慮していた部分もあった彼女でしたが、自分でもその課題を理解していて、ベトナムに来て以来、徐々にポジショニングができてきました。

先輩後輩の上下関係は大切にしつつも、自分の意見を言うところは言える卓越したバランス感覚を持っていること、いつも笑顔で人の意見を真剣に聞けるためコミュニケーションが円滑になること、メンバーからも、引率の先生方からも認められている素晴らしい長所です。

社会人からの人生のシェアは、トワさんです。5歳から今までの話をしてくれました。

5歳でマイチャウで伝染病が流行り、多くの人が亡くなったこと。

トワさん自身も2週間生死の境をさまよったこと。

その経験がきっかけで、5歳からすべての記憶をはっきりと覚えていること。

13歳で炭鉱の事故で大好きだったお父さんを失ったこと。

もともととても貧しい家庭に生まれたトワさんでしたが、お父さんの死をきっかけにさらに家族の生活は苦しくなり、お母さんとトワさんの肩にすべての重圧がかかったそうです。

そこからの生活は、想像を絶するような貧困生活。

壮絶としか言いようがない人生で、トワさんがHB+をたてた想いの強さを知ります。

昨日訪問させてもらったお家よりも時代が違う分状況は厳しかったそうです。その経験が今のトワさんの活動を支えてるのだと改めて重く感じます。

HB+で商品開発をし、それを売ることの本質は、マーケティングやプロモーションの域を超えたところにあるのかもしれません。

後藤先生と桃子先生から、ウルスラ高校からのお土産をトワさんに渡しました。

MTG後も、チームごとに夜な夜な議論は続きました。明日帰る焦りからかなんと寝たのは2時。。みんなバテないよう!明日は朝ごはんギリギリまで寝ましょう。