MoGに参加した高校生や先生のリアルな声・現地で活動中の
MoGの様子・very50の活動などをお届けします。

『総括』ネパール MoG

 

9月19日~26日という短い1週間のMoGのためにネパールの山村に入ってました。

舞台はダディン郡というカトマンズの郊外に位置する郡でちょうど東京がカトマンズとすると、埼玉県のような位置づけのようなところです。

深い山々に囲まれていますが、観光地化などはされておらず、外国人がダディン郡に滞在することはとても希な場所でもあります。

私たちはこのダディン郡の山の奥地にある標高1300メートルにあるライカール村というところに入っていました。

ネワール族とグルン族の2つの民族が住む54世帯が住む小さな村です。

この村の男たちのほとんどが、石切の仕事をしています。

石切とは、ネパール人の屋根などに使う瓦として使用される薄い板状の石材です。

この石を通常は洞窟などから切り取って、瓦の形に加工して販売をするという仕事を50年以上も前から続けてきました。

4月に起きた大地震のときにも男たちは洞窟や山で石切の仕事をしてたのですが、地震の際には車くらいに大きな岩が落ちてきたというのを目の当たりにして、多くが『もう危険だからこれ以上石切の仕事はできない』と言いやめてきました。

さらに地震の際に石瓦が落ちてきたということがあり、人々が石瓦を使わないようになってしまい、このライカール村の石切の仕事がなくなってしまいました。

ライカール村の人たちは現在収入が一切なくなってしまいました。多くの若者を中心に劣悪な労働環境と安い賃金でドバイなどに出稼ぎに駆り出されていきます。

若者が駆り出されていってもその代償にお金が稼げるわけでもなく、疲弊して5年後くらいに帰ってくるという悪循環がネーパールでは続いており、2800人の人口のなかで実に400万人もの人々がネパールを抜け出して、外国で出稼ぎ労働に出ている状況です。

地震により突如仕事のなくなったこの村の人たちの生活をどう守るのか?

ツーリズムをここでおこし、どうヒマラヤだけでなく、ダディンの山村にも来てもらえるのか?ということが今回のミッションです。

13人のモガー(内、9人が社会人)の皆にそれぞれの思惑でMoGに参加をしてきています。

そして、ここでツーリズムを起こすのは、Green eco village trekking という会社の経営者のクリシュナさん3兄妹。

ダディンの山々で育ったクリシュナさんたちを僕らは支援をするためにネパールに来たのです。

6時間をかけて山を上がり、太腿の筋肉が数年ぶりに肉離れに似たような筋肉痛にかかったりしながらも、皆で時間をかけて絶景を堪能しながら、仲間との達成感を感じながら村にたどり着きます。

村人たちの手作り感のある、それでいて温かな歓迎を受けたり、音とダンスを愛する村人たちと踊ったり、星が見える夜空でとても美味しいネパール料理を堪能しながら僕らは過ごしました。

常に村の子供たちの好奇の目に囲まれて、優しさにも囲まれました。

風船一つで大喜びをする彼らをみて子供の逞しさも感じたわけです。

鶏が殺されて、僕らの食べ物になってくれる一部始終も確認しました。”頂く”ことを再確認。

何よりも、電気も水も十分でない生活の中で限られた資源のなかでも十分に楽しく、厳しく過ごせることが自分の中に根付いたある種の毒が体から抜けていくような体験をしたわけです。

最終的に僕らは下山をしてから、首都のカトマンズで2つのツーリズムコンテンツと顧客設定から競合調査、ブランディング、カラーなどをクリシュナさんに提案をしました。

これからはクリシュナ兄妹が、これらの提案をどう活かすのかが重要です。

これからも彼らをきちんと支えながらライカール村の持続可能な発展シナリオを一緒に描いていければと思いました。

さて明日から一週間ほどは東京に戻ります!

ぜひこれを読んでくれている皆様も、ネパールのダディンへのツアーにご参加ください。

ライカール村の素晴らしい美し人々がお迎えします。