MoGに参加した高校生や先生のリアルな声・現地で活動中の
MoGの様子・very50の活動などをお届けします。

プノンペンでの活動を終えて、いよいよ本格始動となったプロジェクト。


プノンペンでの活動を終えて、いよいよ本格始動となったプロジェクト。

緊張の初回プレゼンテーションを終えて、難度の高いことに立ち向かっています。
答えの無いプロジェクトの中で、どうやって進んでいくのか。各メンバーの葛藤が強く見られる中、いつまでも葛藤をしているわけには行きません。悩みながらもプロジェクトをどんどん前に進めていかないといけません。

成功?失敗? 初回プレゼンテーション

今回は、これまでのMoGメンバーと同様に、水草を使ったカバンの販売事業を検討する水草ーチーム。そして、前回のMoGメンバーとともに創業者のスロアーズさんが新たに検討を開始している、スパイス事業の企画を推し進めるスパイスチームの2つに別れて活動をしています。

各チームに分かれて昨日の練習の通り(?)に日本で調べたこと、現地でやりたいと思っていることを発表しました。メンバーごとに英語の得意不得意はありますが、身振り手振りや若干のサポートなども活用しながらなんとか伝えます。スロアーズさんに共有できていなかった部分も沢山あったので、鋭い質問も帰ってきていましたが、ときにはチーム全体でお互いにサポートしながら無事に最初のプレゼンを終えました。

各チームプレゼンの様子

開発途上国における女性たちの社会的な立ち位置の問題

メンバーがサポートすることになるRokhakがどうして社会にとって必要なのか。そのミッションを知るために、実際にRokhakの従業員が働いている自宅にお邪魔をしてきました。

Rokhakは、もともと貧しい人たちが集まっている村に住む方々への職業支援を目的として立ち上げられました。その中でも、時間の融通がきかないシングルマザーの方々の職業選択の自由はほとんどなく、かつ子供の養育費もかかるという大変苦しい状況にあります。そんなシングルマザーの方々に「在宅で出来るいい仕事」を提供してあげることに寄って、問題の解決に挑んでいます。

日本では考えられないような、掘っ立て小屋のような家の中に入れていただくと、そこにいたのは1人のおばあさんでした。家と言っても、ドアも無く、床も土でできているので、半分外のような場所です。12人も入ると一杯になってしまうスペースですが、我々に場所を譲っていただきどこからか人数分の椅子も持ってきてくれました。

我々に座る場所を用意していただくと、おばあさんはすぐに作業に取り掛かり、スロアーズさんによる、自分のミッションや、カンボジアにおける社会問題のストーリーが始まりました。


かごバックを作るおばあさん

中でも印象的だったのは、開発途上国における”女性”のあり方に強い怒りを抱いているという点でした。

日本でも、男女平等が叫ばれて久しいですが、カンボジアンの状況はもっとずっとひどいものです。貧しい村に生まれてちゃんとした教育を受けることができなかった女性たちの行き着く先は売春か、パブだと言っていました。そのどちらもが、自分たちの事に尊厳を持たずに外国人に対して媚を売るような仕事。そこに誇りは無いし、大きく間違っていると感じる。スロアーズさん口調から強い怒りを感じ取りました。

テーマパークみたい

夜の内省の時間では、実際にスロアーズの従業員の住む村に言ってみたみなの率直な意見が聞かれました。多くのメンバーが言っていたのは、「子どもたちが元気でびっくりした」という話。

カンボジアには非常に若者が多いという話は前回のブログでも書きましたが、貧しい村に行っても当然、かなり沢山の子どもたちを見ることができます。まだ、10歳にも満たない子どもたちが棒切などを使って遊んでいる姿は、見ていても楽しさが伝わってきて元気がもらえるものです。同時に、その先に待つ、彼らの人生の「甘くなさ」を感じさせてくれる瞬間でもあります。

その他にも、当たり前ですが、劣悪な環境にびっくりしたという話も沢山聞かれました。雨季には、水で浸かりそうになってしまうような湿地に済んでいるため、衛生環境を初めとした様々な環境が非常に劣悪です。家のリビングに当たる部分の下には、ヘドロのような水たまりがあり、その中にはボウフラが湧いています。当然、蚊が大量に発生し、それに伴い疾病リスクも高くなるのです。臭いも、ヘドロのものでかなりきつい。我々が日本で手にしている、生活とはかけ離れた「当たり前」の存在に、驚いた様子でした。

「テーマパークみたいで、同情すらできなかった」

というのが、私がこの日聞いた中で一番面白いと思った意見でした。彼らが見た状況は、日頃の生活とはあまりにもかけ離れてしまっていて、彼ら自身は「同情」すらすることができなかったとのことでした。

メンバーの1人が、あまりにも現実離れしてテーマパークみたいな感じというと、他の多くのメンバーも共感の声を挙げていました。

迷いながらも進まなければならない

チームの状況を一言で表すならば「停滞」、天気で表すならば、「雨」です。

そもそも、自分が知らない土地にきて、色んなものを見聞きするだけでもいっぱいいっぱいの頭の中に、更に情報を入れ込んでプロジェクトを進めていかなければいけません。当然、英語でのディスカッションなどもしながら、日々何をするべきか自分たちで決めて進んでいく必要があるのです。

特に、水草チームについては、すでに過去のMoGerが提案してきたものをどうやって超えるか。そもそも、スロアーズがこれまでどんなことに挑戦してきたのかという膨大な情報を整理しないことにはなかなか効果的な策が打てません。

頭がパンクしてしまうと、「努力すらできない」状況になってしまします。全員の頭が、パンクしそうになっているのが見て取れるような日々が続く中、菅谷による「情報の整理術」のトレーニングなどをうけて、膨大な情報の整理に取り掛かります。

かなり苦しい状況ではありますが、販売会を始めとするプロジェクトの終了日は容赦なく迫ります。限界を超えて、頭を働かせながらプロジェクトを前にすすめています。

スパイスチームの活動風景
very50 谷弘 望